11月から一ヶ月間をかけて、来年春から開講する横田明美ゼミのゼミ生を募集しました。第一期生は、総合政策学科4名、法学科1名、総合政策学科(オブザーバー参加)1名になる見込みです。
ゼミ生募集方法
今回、ゼミ生を募集するにあたっては、以下の観点を重視しました。
- 対象の学生は現在行政法1を習っている2年生。行政法の知識を聞いても難しい
- 知識やテーマよりも、やる気を重視したい
- 最低限、自分からメールをきちんと出す社会性や積極性は持っている人がいい
- 総合政策学科での受講の場合は2年単位(4年時の卒業論文までセット)。卒論指導を重視
- 段階を踏んで卒論にまで到ってほしい
- 横田自身がかなりブログやSNSを使いこなすタイプなので、せめて仕組みだけは理解している学生に来て欲しい
そこで、募集要項の詳細をTwitterのまとめサービスであるTogetterで記述したり(かなり臨場感のあるまとめになりました)、途中でインタビューの申出を学生から受けたときにも、Twitter上でのインタビューに応じたりしました。
「1週間、メモ・ノートと共に生活すること」を課題に
興味のある学生が事前面談にやってくると、こんな課題を出しました。
今からメモの大切さや多様さについて解説した本の要約を説明します。この説明を聞いたら、「朝起きたら目の前にメモ、寝るときにもメモがある」という生活を一週間以上送ってください。その成果を選考時面接のときに一人3分プレゼンしてもらいます。
このとき使った参考書は、倉下忠憲『Evernoteとアナログノートによるハイブリッド発想術』で、第2章の内容を説明しました。
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)
この本の詳細については、以前、別名義のブログで書評を書きましたのでご覧ください。
その成果が実に多種多様でしたので、以下、ご紹介します。
ゼミ生のメモ・ノート
「メモをとり続けた1週間を振り返って」
一人目は、「メモを書くクセが付いていないので大変でした」と言いながらポケットサイズのメモを見せてくれました。「スマホにやる方が自分にはあってるかも」と書きながらも、「もう少し大きいのを使えば良かった」とも書いてあります。これは、倉下忠憲さんにお見せしたらすごく喜びそうなメモですね。
ゼミ選びという決断のためのメモ
「真ん中に一本線を引いて、メリットとデメリットを書き出してみては。決断のときに使えますよ、ほら、ゼミ選びとか。」という何気ないすすめをしたところ、本気で他のゼミとの比較をしてくれた方もいました。
彼女は社会保障や労働問題に興味があったために、最終的には大石先生のゼミとの比較で悩んだそうです。(なお、この写真掲載には大石先生のご許可もいただいています。)
このメモを踏まえて、「大石先生のゼミのほうがテーマ的には興味が強かったが、経済学の手法による分析は自分には合わないように感じたので、法学のゼミである横田ゼミにきました」とのこと。この決断を支えるためのメモとして使ったんですね。ちなみに、何度も書き直したそうです。
興味関心を書き出すメモ
もうひとり、悩みに悩んで横田ゼミにオブザーバー参加することになった彼女も、上記の「決断メモ」をつくっていただけではなく、「決断メモを書いているうちに、自分が何を大事かと思っているかが分からなくなってきたので…」と、自分が関心を有していることをすべて書きだしてみたメモをみせてくれました。
「落書きっぽいですけど…」
ちょっと恥ずかしがっていたけれど、とてもいいなあと思ったスケッチがありました。「これ、何?」「寄せ書きのアイデアです」ああ、そうですね、こういうの書いておかないと配置がおかしくなりますね。また、その日にやるべきことのデイリータスクリストもつくっているようですね。
「なんでもA5のノートに書いています」
アピカの「紳士なノート」A5サイズ(無地)を使い倒している彼女。むかって左は、「比較」メモですね。コンタクトを買うべきか否かとか、高額だけど便利なものってなかなか難しいですよね。向かって右側は、今すぐにやらなければいけないことは何か、を見極めるためのメモのようです。
読書ノートと習慣ノート
次の彼も、かなり使い倒している感じのノートを出してくれました。まずは、私が貸し出した本についての読書ノートです。
この本の貸出については、また別の記事で紹介したいと思います。
次に見せてくれたのは、「今日一日これをやっていれば上出来、という内容を書き出したんですよ」というメモが冒頭に貼り付けられたノート。
なるほど、ついつい忘れがちな習慣を書いている、という感じですね。このノート、3週間くらい続いているようで、今の内容は結構深化・進化していました。
単なる習慣チェックだけじゃなくて、その日気づいたこともどんどん書いていますね。なお、このノートは一般的な大学ノート(B5)でした。
メモ/ノートと向き合う時間を大切に
実に様々なメモ/ノートがあり、それを試している姿がとても楽しそうで、課題を考えた甲斐がありました。わかりやすくメモの効用についてまとめてくださっていた倉下忠憲さんにも、改めて感謝いたします。
これからの二年間、卒論執筆と進路決定に向けて、みんなでレベルアップしていこうと思います。そのひとつひとつを記録する「ぼうけんのしょ」と言ったら、言い過ぎでしょうか。(すくなくともドラクエのやり過ぎですね)
以後、こんな感じで不定期に教育や研究で試していることを書いていこうと思います。
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